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加速するEC専業企業の実店舗展開が意味する「実店舗とECサイトの役割」

記事チラ見せ

●Amazon Books
2015年11月、ネット通販大手のAmazonは本社のあるシアトルに初の実店舗となる「Amazon Books」をオープンした。

ワシントン大学近くの高級ショッピングモール内に作られたこの書店には、Amazon.comの顧客評価や専任のキュレーターによって選ばれた売れ筋の商品約5,000〜6,000冊が並ぶ。そのほとんどが、Amazon.com内の評価が4.0以上のものばかりだ。商品の前には、利用客がセレクトに困らないようにと、Amazon.comのカスタマーレビューと評価点が記載されたレビューカードが置かれている。Amazon Booksが通常の書店と異なる点は、電子書籍リーダー「Kindle」やタブレット「Fire」、AI接続スピーカー「Echo」といったアマゾン製電子機器の体験コーナーが設けられていること。また、Amazon.comのオンライン価格と値段を統一させている点だ。スマートフォンや、店内の至る所に設置されたプライスチェッカーで商品のバーコードをスキャンすると、アマゾンの販売価格と定価との差額が表示される。実店舗ではAmazon.comで購入された商品をユーザーに受け渡すサービスも始めており、配送にかかっていたコストの削減を見込んでいる。同社は今後実店舗をエコシステムの拠点として打ち出し、さらに300〜400店舗をアメリカ国内にオープンさせる予定だ。

●ルクサ
2015年11月に渋谷モディ内にオープンした「Time mart(タイムマート)」は、タイムセールサイト「LUXA(ルクサ)」が働き盛りの世代に向けて展開する初のリアル店舗だ。

「healthy gift、healthy work」をコンセプトに、ティータイム、リラックスタイム、ワーキングタイムなど、さまざまなワークライフシーンに合わせた食料雑貨や生活雑貨などを販売。店頭にはギャラリーを併設し、新商品のサンプル展示や季節のトレンドを調べたデータの紹介、贈り物ガイドが登場するイベントの実施など、リアルな場を活かした取り組みも実施している。また、リアル店舗独自の商品を販売し、オンラインでの販売を視野に入れた商品のテストマーケティングも行う。同社は「Time mart」で展示や体験を通じてメーカーとユーザーの関係性をより強化し、商品力・販売力を高め、トレンド発信基地としての機能を強化する試みだ。

記事でご紹介していること

  • はじめに
  • Amazon Books
  • ルクサ
  • 藤巻百貨店
  • STYLENANDA
  • DHOLIC
  • その他の実店舗展開事例
  • 実店舗とECサイトの役割
本記事は、エンパワーショップ株式会社が運営する
『eccLab(eコマースコンバージョンラボ)』から提供されております。